APMT3 - ”伝えたい気持ち”
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先週の土曜日、デザインポータルCBCNETが主催する「APMT3*」というカンファレンスを見に、横浜のBANKART Stuioまで行ってきました。

会場のBANKART Studioはコンクリート打ちっぱなしの広々とした暗い倉庫のような場所で、クリエイティブな何かが生まれそうな雰囲気のあるスペースでした。今回 APMT3ではWOWのアートディレクターを務める未来派図画工作の鹿野さんやExonemo、大日本タイポ組合、海外からはHudson Powell、Matzuさんがプレゼンターとして招かれていました。

特に印象に残ったプレゼンは未来派図画工作の鹿野さんの話。WOWとして手がける映像作品(主にCM)の紹介から、個人的に製作している作品とそれらのバックボーンについて述べられていました。一番初めに上映したCM作品集がこれまた秀逸で、化粧品から車やら企業系やら、普段僕らが目にしたことのある印象的なCMがずらりと並んでいました。「あのCMってWOWが手がけてたんだ!」と驚きと納得の連続。映像の多くは非常に伸びやかで、自由とは違った制約のない空間を表現しているように感じました。

CM作品とは打って変わり、個人的に製作している作品の方ではMAC用スクリーンセーバーやコンセプト・モーションを作っているそうです。「“永遠”と“繰返し”」こうした言葉をキーワードに、プログラムを用いた偶発的なグラフィック表現であったり、絵画や小説の挿絵のようなものを用いた不思議な映像だったり、製作された作品がとても斬新に感じました。「一つ一つが偶然に出来て二度と形をなさないもの。」と鹿野さんは言っていました。瞬間毎に変化する「儚さ」のようなものが見え隠れしているような。僕が生きる時間だとか、偶然性を体感するタイミングだとか、自分にとっての「儚さ」そのものを考えさせられた気がします。(魚介類が好きという理由で、魚やイカなど好きなものを取り入れた映像作品も見られました。表現やデザイン的な部分、また伝えたい事柄はどこからインスピレーションが生まれるのか、もっと掘り下げて聞きたかったなぁ。)

「作品の“完成”はいつ感じる?」というクリエイターにとって興味の引かれる話題も出ました。「“アイデアが思いついた時“に完成する場合もある(?)」そうです。反対に、僕はそうは思いません。「伝えたい気持ち」があって、それを伝えるためにメディアを介して人に伝え、何かのフィードバックを得られた時に、はじめて達成感みたいなものを感じて、その達成感を感じたことで“完成”につながるのかなと考えています。(じゃあ完成って何だろう?という具体的な意見は持っていないので省略。)面白いアイデアが浮かんだだけでは、コミュニケーションは完結しないのかなと常々思いますね。そもそも完成はいつ?ということはあまり意識してないような。(仕事をするようになれば“納品=完成”になってしまいそう。)鹿野さんの作品には伝えたい事柄が見え隠れしているように感じたけれど、抽象的なフィーリングとして「なんだかイイ」と感じるものは多い。かっこよさだったりかわいさだったり、表現における余計な要素を意識せずにデザインをやってのける「“アイデアが思いついた時“に完成させてしまうクリエイターとしての素質」を鹿野さんが持っているからかもしれないですね。

今回のAPMT3では「What’s your color?」がテーマでした。特に各々のプレゼンターに色が出ていると感じたのは“表現方法”と“表現するフィールド”です。それは“個性”とは違った「主観として物事を捉える感じ方の相違」と、「情報を発信する自分と受け取る他人とのポジション」とも言えます。アーティストのmatzuさんは、日本だけでなくたくさんの国々を訪れて色々なことを感じて形成された自分の文化・意見・考えを、絵に描いている方で、表現するフィールドについてリアルな意見を述べられていました。綺麗なものを描こうとする自分に対しての疑念。ミックスされた自分の文化はある種の枠のようなものだったけれど、ミックスされた自分の文化だからこそオリジナルであって、それこそ表現するべきことだと感じたのだとか。それらを受け入れてくれるフィールドで表現すればいいのではないか?という結論に至り、今ではNYという場所で絵を描いているそうです。日本ではあまりアートを買う機会はありませんね。日本以外の海外諸国ではアートを尊重し、個人で買って楽しむ傾向がある。自分の意見が反映されやすいフィールドで活動することも重要だと感じました。

APMTに参加するのは2回目ですが、毎度「黙ってないで手動かさないと!」という気持ちに駆られます。とてもいい刺激になり、クリエイター(?)として学ぶべきことがたくさんありました。(カルチャー誌のインタビューを飛び出させた感じ!次回も楽しみにしています。)

運営者の栗田さん、藤森さん、CBCNETの皆さん、本当にお疲れ様でした。

(ちなみに配布されたノベルティの中のhetemlフライヤーは野原が作ったとかそうでないとか。)

APMT* … 様々な分野の最前線で活躍するデザイナー・アーティスト(日本海外問わず)を招いてプレゼンテーションをするアートカンファレンスです。

CBCNET : http://www.cbc-net.com/
APMT3 : http://www.apmt.jp/

未来派図画工作(鹿野護) : http://www.zugakousaku.com/
matzu : http://www.matzu.net/

posted by nohara | November 22, 2007 05:13 | Inspiration | Comments (0) |
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